鳩の病原菌

★鳩の病原菌

羽毛・糞が乾燥して空気中に飛散し様々な病気の原因となります。

ピジョンオーニソージス
従来、鳥類に感染する疾病。
鳥と人との接触により人間に感染する可能性あり。
軽症のものは風邪とよく似た症状で、重度になると肺炎のような症状になる。
ドバトのフンや呼気沫に含まれるウイルスが原因でドバトの30~75%がこのウイルスを持っているといわれる。
ドバトに接触する機会の多い社寺の職員の18%が抗体保有調査で陽性であったというデータもある。
クリプトコックス症
真菌性の一種で人が感染すると、軽症の場合は皮膚炎程度、重症になると脳、脳脊髄膜に病巣を作り死亡に至る事もある。
ドバトの排泄物の中から分離され乾燥状態の排泄物やほこりなどと共に人体に吸収され発病に至る。
乾燥に強く2年以上も菌が生存すると言われている。
ニューカッスル病
ほとんどの鳥がこの菌を持ち、呼気気沫や外部寄生虫の媒介によって発病する。
人間が感染すると急性顆粒結膜炎の症状となる。
トキソプラズマ症
妊婦がこの原虫の胎盤感染を受けると流産したり、出産しても生まれた子供に脳障害を生じることが多い危険な病気。
ヒストプラズマ症
カビの一種で、発病すると肺結核に似た症状を起こす。
ドバトのフンや排泄物に空気中の胞子が落ち、温湿度などの条件がそろうと急激に増殖し、これに人間が触れると感染する。
クラミジア肺炎(オウム病)
鳥型クラミジアの感染によって起こる肺炎で、この微生物を保有しているオウムの病鳥が飛ばすゴミなどを飼い主が吸入して起こることから、オウム病と一般に呼ばれているが、オウム以外の鳩・小鳥等でも起こりうる。
細菌性肺炎の病状と同じだが、クラミジア肺炎のほうが重症で、時に死亡することもある。
脳炎
ドバトも脳炎ウイルスを保菌することがあり、コガタアカイエカの媒介によって人に感染する。
高熱頭痛、嘔吐があり、2~3日後に意識混濁やけいれんが起きる。
感染した人の20%は治っても手足の麻痺や知能障害などの後遺症が残る。
アレルギー
羽毛や乾燥糞末により、喘息発生を伴う重度のアレルギー症状(アトピー性各症状の原因とも考えられる)を起こすことがある。
また伝書鳩などの飼育者の中には抹消ガス交換組織を侵す肺疾患が発生することがある。
これは鳩の排泄物中の抗原菌の吸入によって引き起こされる。
過敏性肺臓炎
アレルギー性肺炎の一種で、有機性の塵埃を長期間吸入したためにおこる肺炎の総称。原因となる有機性塵埃は、鳥の血清とカビ類が代表的。
鳥の血清は鳥の糞便などに含まれる物質。
多数の鳥がいれば、含まれる血清も多量で、これを長期間吸入しているうちに過敏性肺臓炎が起きる。

★鳥インフルエンザ

感染症の主な原因である寄生虫・細菌は薬の開発によって、人類はこれらを抗えこむ事に成功したと言えます。ところが動物性ウィルスが目の前に立ちはだかる様になってきた。最近ではエイズ・サーズ・鳥インフルエンザ等、死に至る恐ろしいウィルスが出てきました。ウィルスは、遺伝子が殻に包まれだけの体つきで、細菌とは全く異なり自分だけでは生きていけず、他の生物の細胞に宿主として寄生して増殖する。ウィルスの遺伝子が細胞内に侵入すると細胞自身の遺伝子のように振舞うため、区別がつきにくくなってしまい増殖中に突然変異を起こし自在な行動をとる恐ろしさを持っている。この様にウィルスは、我々人類最後の敵であると言えるのではないでしょうか。
鳥インフルエンザは何が恐ろしいのか、鳥インフルエンザが発生すると養鶏業を営む方々やその従業員、ニワトリや卵の流通に関わる方やそれを購入される主婦の方、又、食品産業にたずさわる方例えばレストラン厨房で鶏肉をさばいている料理人の方から、それをお客様に配膳するアルバイトの方、まさにそれを食べている皆様まで感染に対するリスクがある訳です。
鳥インフルエンザ問題は、これを脅威と感じる人と、たいしたことはないと感じる人の間では、その認識の温度差は大きいと思います。この認識不足から人間への感染症を大流行させる事だけは避けなければならないと思います。感染症は自衛をする事が大切である。自衛は事前の順備と予防が柱となります。その為にも情報は大切なのです。
【注意1】
鳥インフルエンザ・ウィルスが人に感染しにくいのは事実である。ある動物のウィルスは、相性のよい一定の宿主(動物などの住処)のところで増殖するのが好都合だからだ。だが中には、別の宿主に入り込んでも増殖できるウィルスもいるから鳥だけの病気だと決めつけるわけにはいかない。1997年に香港で流行した強毒性の鳥インフルエンザでは、ウィルスが18人に感染し、そのうち6人が亡くなっています。これは、それまでのインフルエンザの常識をくつがえす出来事だったが、2003~2004年の流行でもベトナムで15人、タイで8人の死亡が、公式には確認されている。こうして鳥インフルエンザ・ウィルスは、次第に人に親しんできているのかもしれない。
【注意2】
第一次大戦中の1918年に地球に広がった新型インフルエンザは、推定で5億人以上に感染し、そのうち4000万人以上の生命を奪った。しかも老若男女を問うこともなく20~30才代の健康な若者にも容赦なく襲いかかり、戦局にも重大な影響を及ぼすほどであった。インフルエンザ・ウィルスは伝播力が強く、また自らを増殖させる速度が速い。だれも免疫をもっていない新型のインフルエンザ・ウィルスなら、このような猛威は当然予想されなければならない。
【注意3】
1918年の「スペイン風邪」は、弱毒性の鳥インフルエンザに由来する新型ウィルスが引き起こしたが、それでも4000万人以上の死者を出した。当時に比べて人口は3倍以上に増え高速で大量輸送の交通機関が発達し都市生活のようすも大きく変わった。この現代に、2003~2004年に流行したH5N1型のような強毒性の鳥インフルエンザに由来する新型インフルエンザが出現して流行したら感染者や死者の数、社会に及ぼす影響は計り知れない。「スペイン風邪」の比ではないだろうと予測されている。繰り返す-例年のインフルエンザでも国内で数百万人規模の感染者と1万人におよぶ死者を出しているのである。免疫のない新型インフルエンザが大流行する事態に、全ての現代人が想像力をはたらかせその対策に関心を寄せるべきではないだろうか!
【注意4】
インフルエンザを、くしゃみ・鼻水などの症状を呈する「風邪」と同じレベルでとらえていると痛い目にあう。インフルエンザは患者から出た咳やくしゃみに含まれるウィルスや、それらが乾燥して空気中にただようウィルスが呼吸粘膜にとりつくところから始まる。急な発熱や全身の強い疲労感をともなって発症し、ひどいときには肺炎を引き起こし生命を落とすことさえめずらしくない。毎シーズン流行するインフルエンザでは、国内だけでも1万人もの人が亡くなっているのである。しかもこれは、ウィルスの正体がわかっていて予防するワクチンも広く使用され、また、多くの人がそのウィルスに免疫をもっている場合である。ところがここに、まったく新しいタイプ(亜型)の「新インフルエンザ・ウィルス」が出現すると話はまったく、違ってくるのである。
【注意5】
鳥インフルエンザ・ウィルスに感染しないように心がけることは、自分自身を重症の病気から守るとともに新型インフルエンザの発生を防ぐ具体的な第一歩となる。鳥インフルエンザが流行している地域の鶏舎などには必要がないかぎり、出入りしないようにしたい。やむおえず出入りする場合でも、医療用のマスク・ゴーグル・手袋・ガウン(エプロン)・長靴を着用すべきである。作業後には必ず、石鹸と流水による手洗いとうがい薬を用いたうがいを励行したい。野鳥に触れた場合も、この手洗いとうがいは実行して欲しい。

「参考」
国立感染症研究所
感染症予防センター
動物ウィルスが人間を襲う!【PHP出版】
鳥インフルエンザの脅威【河出書房新書】